
不動産売買豆知識⑩「相続」に関する豆知識
不動産売買の「相続」に関する豆知識
〜相続した家を売るときに必ず知っておきたい基礎知識〜
親や親族から不動産を相続したあと、売却すべきか、維持すべきかで悩む方は非常に多くいます。
しかし、相続した不動産を売却する際は、通常の売却とは違い 税金・名義・手続き・相続人同士の合意形成 など、特有の注意点がいくつもあります。
今回は、不動産のプロ目線で「相続不動産を売るときの豆知識」を分かりやすくまとめました。
■ 相続した不動産でまず確認すべきこと
不動産を相続したら、売る・貸す・使う以前に、まず以下の3つを優先してチェックする必要があります。
① 相続登記(名義変更)が済んでいるか?
2024年4月から相続登記は義務化されました。
不動産の名義が被相続人(亡くなった方)のままでは売却もできず、
最悪の場合 “放置したまま” と判断され 過料(罰金) の対象になります。
② 相続人が誰なのか明確になっているか?
相続人が複数いる場合、
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売却するか
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誰かが相続して住むのか
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賃貸にするのか
など、方向性を決めるための 遺産分割協議 が必要です。
全員の合意がないと売却手続きは進みません。
③ 不動産の状態(老朽化・残置物・境界)がどうなっているか?
相続物件は、
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築年数が古い
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空き家期間が長い
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荷物が大量に残っている
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境界が不明確
このようなケースが多く、売却準備に時間がかかることがあります。
特に測量が必要な場合は、完了まで1〜2か月以上かかるため、早めに専門家へ相談するのが安心です。
■ 相続不動産を売るときに使える主な税制優遇
3000万円控除は省くとして、相続不動産の売却では 他にも重要な税制度 があります。
これを知らないと、税金が数百万円変わる場合もあります。
✦ 相続税の取得費加算
相続税を支払った人が対象で、
不動産の「取得費(買った時の価値)」に相続税の一部を加算できる制度です。
取得費が増える → 売却益が減る → 結果的に譲渡税が下がる
という流れです。
例)
取得費 1,000万円
加算額 500万円
→ 計 1,500万円として売却益を計算できる
相続した不動産を売るほぼ全ての方が検討すべき制度 です。
✦ 譲渡税が「長期」か「短期」かで税率が変わる
相続不動産の場合、
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被相続人が所有していた期間
も合算して 所有期間 を計算します。
所有期間が5年を超えていれば「長期譲渡所得」となり、
通常より低い税率(20.315%)で計算されます。
つまり、相続したばかりでも所有期間が長ければ、すぐ売っても税率が低くなるメリットがあります。
■ 相続した家を売る一般的な流れ
相続不動産の売却には、通常の売却に加えて相続ならではのステップがあります。
① 相続人の確定と遺産分割協議
誰が相続人かを確定し、全員で不動産の扱いを話し合います。
共有にするのか、売却して現金で分けるのかを決めます。
② 相続登記(名義変更)
話し合いの結果に基づき、名義を相続人へ変更します。
名義が変更されていないと売却できません。
③ 不動産の調査(測量・建物の状態確認)
境界が曖昧な土地や古い建物では、売主側で測量や解体の判断が必要です。
④ 不動産会社へ査定依頼
築年数・立地・市場動向・残置物の有無などを見て査定します。
⑤ 売却活動と契約
相続人が複数の場合は、契約書に全員の署名・押印が必要です。
⑥ 売却後の確定申告
相続不動産の譲渡税の計算を行い、先ほどの「取得費加算」などの制度を適用します。
■ 相続不動産でよくあるトラブルと対策
相続不動産の売却は、現場で実際に次のようなトラブルが起こりやすいです。
トラブル① 相続人同士が揉めて売却が進まない
共有名義の場合、売却には全員の合意が必要です。
意見が割れる前に、初期段階で全員と情報共有することが大切です。
トラブル② 名義が何世代も前で複雑
祖父名義のまま、曾祖父名義のまま…というケースは珍しくありません。
この場合、相続手続きだけで数ヶ月以上かかることもあります。
トラブル③ 荷物の片付けが終わらず売却できない
残置物の処分費用が高額になりがちです。
業者手配、高額になりそうな場合は「現況渡し」を検討するなど、売り方で負担を減らせます。
トラブル④ 測量が必要で売却が遅れる
古い土地では境界が不明確なままのことが多いです。
売主が負担することもあるため、予算とスケジュールを前もって確認しておく必要があります。
■ 相続不動産は「放置」が一番リスク
相続した家や土地をそのまま放置してしまうと、次のような問題が起こりやすいです。
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建物の老朽化で資産価値が大きく下がる
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固定資産税だけ払い続ける
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草木が伸びて近隣トラブルになる
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空き家対策として行政から指導される可能性
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相続人が亡くなり、次の世代に移ると手続きが倍以上に複雑化
「使わない・住まない・管理できない」場合は、早めに売却を検討した方が負担が少なくなります。
■ まとめ:相続した不動産は専門家への早めの相談が正解
相続した不動産の売却は、
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税金
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相続登記
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測量
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建物の状態
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相続人同士の意思統一
など、通常の売却よりも関係者や確認事項が多いのが特徴です。
特に税金面では、
取得費加算の有無だけで数百万単位の税金差が出る
こともあります。
「相続したまま放置している家がある」
「荷物の片付けからどう進めたらいいか分からない」
そんな段階からでも、専門家へ相談するとスムーズに進みます。
